<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

その他SS投稿掲示板


[広告]


No.27655の一覧
[0] 【習作 IS 転生 チラ裏より】 へいお待ち!五反田食堂です![釜の鍋](2013/03/18 01:45)
[1] プロローグ[釜の鍋](2011/11/27 15:22)
[2] 第一話   妹一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 15:30)
[3] 第二話   友達二丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 15:37)
[4] 第三話   天災一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 15:43)
[5] 第四話   試験日一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 15:56)
[6] 第五話   入学一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/12/12 12:28)
[7] 第六話   金髪一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 16:30)
[8] 第七話   激突一丁へいお待ち![釜の鍋](2013/03/18 01:39)
[9] 第八話   日常一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 17:13)
[10] 第九話   友情一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 17:38)
[11] 第十話   決闘 【前編】 へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 17:54)
[12] 第十一話  決闘 【後編】 コースは以上へいお待ち![釜の鍋](2012/09/17 17:49)
[13] 第十二話  帰還一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 18:33)
[14] 第十三話  妹魂一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 19:08)
[15] 第十四話  チャイナ一丁へいお待ち![釜の鍋](2012/09/17 16:43)
[16] 第十五話  暗雲?一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 19:53)
[17] 第十六話  迷子一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 20:19)
[18] 第十七話  約束一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 20:43)
[19] 第十八話  始動一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 21:13)
[20] 第十九話  光明一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 21:56)
[21] 第二十話  幻影一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/28 01:59)
[22] 第二十一話 協定一丁へいお待ち![釜の鍋](2012/04/26 12:52)
[23] 第二十二話 氷解一丁へいお待ち![釜の鍋](2012/09/17 16:51)
[24] 第二十三話 思惑一丁へいお待ち![釜の鍋](2012/02/06 19:27)
[25] 第二十四話 開戦一丁へいお待ち![釜の鍋](2012/02/06 18:38)
[26] 第二十五話 乱入一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/12/26 18:09)
[27] 第二十六話 優先一丁へいお待ち![釜の鍋](2012/09/17 16:46)
[28] 第二十七話 三位一体【前編】 へいお待ち![釜の鍋](2012/09/17 17:13)
[29] 第二十八話 三位一体【後編】コースは以上へいお待ち! [釜の鍋](2013/03/18 23:04)
[30] クリスマス特別編  クリスマス一丁へいお待ち?[釜の鍋](2011/12/25 22:00)
[31] 短編集一丁へいお待ち![釜の鍋](2012/04/23 23:29)
[32] 短編集二丁へいお待ち![釜の鍋](2012/09/17 17:24)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[27655] 第七話   激突一丁へいお待ち!
Name: 釜の鍋◆93e1e700 ID:6a99fb4e 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/03/18 01:39
ちわっす。
『弾! しっかりしろ弾!』『一夏俺はもう駄目だ…これからはお前が蘭を守ってくれ…!』『馬鹿野郎! あれほど千冬姉の味の中途半端な手作りには気を付けろと言ったのに!』『後は頼んだぜ…三代目。(ガクッ)』『弾!? だああああああんん!?』
という夢を見た、五反田 弾です。


千冬さんに盛大に舌打ちされて始まった三限目。

ふむ、俺もようやくまともに受ける事が出来るようだ。さぁ! ドンと来るがいい!


「―――― それではこの時間は実戦で使用する各種装備について説明する。」
「包丁まな板鍋お玉っ!」
「お前達よく見ておけ、今実際に使ってやるからな?」
「織斑先生っ!? 落ち着いてください!」


む? 違ったか。ISとは難しい。

教卓の前で、流れるような動きでの銃口を俺に向ける千冬さん。間違えただけで死刑コースとは。IS学園。なんと恐ろしい場所だ。

山田先生が必死に千冬さんを止める姿に、ちょっと萌える♪


「大丈夫だ山田君。私はいたって冷静だ。いたって冷静に事を運ぶ。 何も心配はいらない。」
「運んじゃ駄目ですぅ!? 一応生徒! 生徒なんですから!?」
「生徒? はははははおもしろい冗談だ。私の視線の先には害虫しかいないぞ? ほら山田君、離さないか。駆除できないだろう?」
「ふむ?(後ろを向く)せんせー? 虫なんていないっすけど?」
「いるさ、世にも珍しい口を利く害虫がなぁぁぁあ!?」
「落ち着いて! 落ち着いてくれ千冬姉!? あんなんでも一応友達! 友達だから!?」


バシンッ!(出席簿アタック)


「織斑先生だ。」
「…すみません織斑先生。(理不尽だ…弾の野郎っ覚えてろよ!)」
「災難だな一夏の奴。」
「だんだんって怖いもの知らずだねー?」

怖いもの知らず? 何を言っているんだ本音ちゃんは? 俺にだって怖いモノはあるぞ。本気で切れた母さんとか。うん、洒落にならん程マジで怖い。


「んんっ! 話がそれたな。では気を取り直し、使用する各種装備の特性を――――っとそうだった。その前に再来週行われるクラス対抗戦にでる。クラス代表を決めないといけないな。」


気を取り直して授業開始と思いきや、ふと思い出したように千冬さんがそう口にした。

―――はて? クラス代表? なんじゃそら?


「クラス代表とはそのままの意味だ。対抗戦だけでなく、生徒会の開く会議や委員会への出席…簡単にいえばクラス長だな。ちなみに、クラス対抗戦は、入学時点での各クラスの実力推移を測るものだ。今の時点で大した差は無いが、競争は向上心を生む。一度決まると一年間変更はないからそのつもりで。」


ふむ、成程ね。そうと聞けば話は簡単だ。


「―――― ならばうちのクラスからは、俺が出よう!!」
「「「「「まさかの衝撃発言!?」」」」」
「…胃が…!」
「織斑先生!? しっかりしてください!?」
「おいおいおい!? お前本気かっ!? 弾!?」
「俺は嘘など言わん!!」
「お前さっきの休み時間に堂々と嘘吐いたよなっ!?」
「ほほう? 既にそんな逸話があるのか。俺も有名になったもんだ。」
「ほんの十分しか経っとらんわ!?」
「小さい事に気にするようじゃまだまだだな一夏!!」
「お前が大雑把過ぎんだ! それよりクラス代表になるの本気かよ!?」
「言ってみたかっただけだ。気が済んだし、もういいや興味無ぇよ。」
「撤回が早すぎるわっ!? やっぱり嘘じゃねぇか!?」
「嘘ですが何か?」
「最悪だこいつっ!?」
「という訳で、 一夏が良いと思う人手を上げて? HAI!」
「ちょっと待て!? なんで俺なんだ!?」
「俺やりたくない。でも女子に押し付けるのは死んでも出来ない。なんだ一夏がいるじゃない。という訳だ。 理解できたか? じゃあ問題ないやれよテメェ。」
「勝手に決めるな!? お前がやれよ!? 有言実行は十八番だろうが!?」
「俺の十八番は『津軽海峡冬景色』だぞ?」
「何気に渋いなお前!? 歌じゃねぇよ!! クラス代表を一度やるって言ったんだ! やれよ!!」
「日本語って難しいな? お前が言ってる意味がサッパリ分からん。」
「しばき倒すぞ!?」
「―――― わたしも織斑君が良いと思います!」
「私も!」
「というか五反田君以外なら誰でもいいです!」
「「「「「織斑君!! 頑張って! というか五反田君の暴走止めて!?」」」」」
「ちょっ!?」
「大人気じゃん一夏! お前一日で何人にフラグ立てたんだ!? 記録更新した?」
「知るか! というか、お前もう問題児扱いだぞ!? 何か言い返さないのか!?」
「野郎ならぶち殺す! でも、女の子やし。特に? むしろもっと罵って欲しい位だ!」
「ほんと女子に甘いなお前!? 日本男児の大和魂どこいった!?」
「そんなもん、一郎の腹の中だ。」
「またそいつか!? なんでも食うなそいつ!?」
「酸味が強くて食えたもんじゃないらしいぞ?」
「味あんのかよ!?」
「おいおい、そんなに興奮するな。いくら大好きな千冬さんの授業だからって張り切り過ぎだぞ? ふふ、全く困った奴だ。」
「喧しいわ!?」
「さすが俺の『妹魂』に匹敵する『姉魂』を持つ男よ。俺も負けてられん! 見ろ! 昨日三十分で作った『お手製蘭人形』だ!! 可愛いだろ?」
「何作ってんだお前はーッ!?」
「いや、寂しくてつい。(スリスリ)」
「「「「「キモっ!?」」」」」
「…織斑、席につけ。邪魔だ。他にいないか? 自薦他薦は問わん。いないなら無役票当選だぞ? むしろとっとと決めろ…!(胃がキリキリ)」
「へ? って、ちょっちょっと待った! 俺はそんなのやらないぞ!?」
「全くわがままだな。小学生か?」
「お前は黙ってろ!? なら俺は弾を―――!」
「…織斑? 五反田を・何・だ・っ・て?」
「――――何でもありませんっ!(泣)」
「ぷっ♪」
「笑うな畜生っ!!」


さすが千冬さん。一夏を一睨みで黙らせた。教育が良く行き届いている。うむ素晴らしき姉弟愛だな。

ふむ。このまま行けば一夏がクラス代表になるのは避けられないな。クラスの看板背負って、行け一夏! 骨は拾って一郎に食わせるから!!

―――― が、その時、セシリーちゃんが音を立てて立ちあがった。

うむ、やはり反対してきたね。さっきからギリギリ机から妙な音立ててたし。
すげぇ。机に指で削られた痕があるよ。

英国淑女とフラグ野郎。第二ラウンド――――――ファイト!


「待ってください! 納得がいきませんわ!」
「ロールがドリルじゃないことが?」
「そうなんですの、折角のお嬢さまキャラなのに―――って違いますわよ!?」
「流石は英国淑女! ノリ突っ込みをマスターしているとは!?」
「お前絶好調だな…?」
「紳士だもん。」
「貴方は黙っていてくださいまし!!」
「一夏、カンぺくれ。」
「持ってる訳ねぇだろ!? 持っててもやらんわ!」
「とにかく! このような選出は認められませんわ! だいたい男がクラス代表だなんていい恥さらしですわ! わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間も味わえとおっしゃるのですか!?」
「ふむ? 俺以上に恥さらしな野郎がいるとは思えんが?」
「お前自覚あっての行動だったのかよ!?」
「――――山田君? ちょっと職員室に行って来てくれるか…?」
「はっはい! いつものですね!?」
(((((織斑先生が、胃を押さえて教卓に突っ伏した!?)))))
「実力から行けば私がクラス代表になるのは必然、それを物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります!」
「一夏お前猿だって。『ウキッ』っていってみ?バナナやるから。」
「殴る蹴るの暴行加えるぞこの野郎。」
「私はこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスする気は毛頭ございませんわ!」
「サーカスに猿って居たっけか?」
「いるっちゃいるが。日本猿は見たことねぇな俺。」
「いるのかね?」
「さぁなぁ。(弾に鍛えられている為、沸点が何気に高い一夏)」
「い、良いですか!? クラス代表は実力トップがなるべき、そしてそれは私ですわ!」
「ふむ? じゃあなんで立候補しなかったんじゃろな?【ズバッ!】」
「あれだ、推薦してほしかったんじゃねぇか?【グサッ!】」
「「「「「あー。」」」」」
「だ、だだ大体! ぶ、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体! わ、私には耐えがたい苦痛で―――――!」
「イギリスってそんな大層な国だっけか?」
「ふむ? 俺は英国淑女と英国料理以外は大して興味ないからどうでもいいな?」
「あれ? イギリスって世界一まず―――。」
「一夏、俺の前で他国の料理を貶して見ろ? 『あの事』を千冬さんにバラす。」
「――― イギリスの紅茶って美味いよな!? 英国サイコー!!」
「―――っ決闘ですわあああああああぁぁぁぁ!!!!」
「「何でさッ!?」」
「何ですの何ですの!? さっきから私の話しを受け流すなんてどういうことですの!? 一人喋っている私が馬鹿みたいじゃありませんのっ!?」
「「寂しかったのか? そりゃ悪かった。」」
「なんでこんな時だけ息ぴったりなんですか!?」
「愛かな?」
「気色悪い事言うな!?」
「とにかく決闘ですわ!! お二人揃って私の召使い―――― いえ! 奴隷にしてやりますわ!」
「そして俺達を絡ませる気か!? なんという腐女子ソウル!?」
「お前ちょっと黙っとけ!?」
「イギリス代表候補生である私の実力を! とくと見せて差し上げますわ!!」
「ふむ? 女子から決闘を申し込まれるとは、俺は日本紳士だから、真剣勝負を求めるレディには全力を持って応えるぞ?」
「え? 本気でいくのか? 女性至上主義のお前が?」
「だからこそだ。俺は絶対に女性を下に見ない。負けようが勝とうが全力で行く。それが礼儀だ。ハンデ手加減なんざ野郎が女性にふっかっけた侮蔑以外のなにものでもないと俺は思う。」
「…そういう考えも確かにありだな。」
「という訳だ! セシリーちゃん。俺達二人揃って、全力で応えるぜ!!」
「ふん! 二対一なら勝てるとでも思っていらっしゃるのかしら? 浅はかな男の考えは見苦しいですわね?」
「いんや? 代表候補ってことはセシリーちゃんは相当な腕前なんだろ? 素人同然の俺達が挑むなら、確かに浅はかだけど数で勝負だ。 それにセシリーちゃんは俺達二人に宣戦布告したんだ。二人揃ってじゃなきゃ意味ないじゃん。」
「――――え、ええ。そ、そうですわね。」
「俺はちょいと乗り気じゃないが。まぁ、今回は弾に乗るぜ。」
「悪いな一夏。(キラキラ)」←見つめる
「今に始まったことじゃねぇだろ? 気にすんな。(キラキラ)」←見つめ返す
「「「「「「「「…ゴクッ。」」」」」」」」
「―――チャンスだぞ! 今シャッターチャンスだぞ皆!?」

ピロリロカシャカシャピョロリンパシャパシャ(携帯カメラ同時押し音)

「って何やってんだ!?」
「大事にしろよ!?」
「「「「「「「ありがとう五反田君!」」」」」」」」
「みんな弾に毒されてないかっ!?」
「『話はまとまったな。それでは勝負は一週間後の月曜。放課後、第三アリーナで行う。織斑、五反田、オルコットの三名は用意しておくように。そしてこれ以上騒ぐな胃に響く…っ!!』と、織斑先生がおっしゃっていますっ! 先輩っ!? しっかりしてください先輩っ!?」
「「「「「「「先生ぃぃぃぃっ!!!?」」」」」」」


教卓の上で千冬さんが脂汗をビッシリ掻いていた。
大丈夫かね?



*   *   *




そして時間は放課後。

俺の目の前では机の上でぐったりした一夏の保護欲誘う萌え姿。こいつは誘ってんのかしらん?

「うう…。」
「生まれる? 認知はするぞ?」
「意味分からん事言うな!?」
「へいどうした少年!? 元気ないな! 幸せ逃げるぜ!?」
「ISのことだよ。何でこんなにややこしいんだ。」
「安心しろ。 俺もさっぱり分からん。」
「慰めにもならんわ。はぁぁ。」
「ふぅ、仕方ない。慰めてほしいならそう言えよ?」
「別にんなこと言ってねぇ。」
「全く、一体何回『愛してる』って言ってほしいんだ?」
「頼んでねぇよ!? やめろ気色悪い!?」
「元気出た?」
「別の意味でな!?」
「別の? …だから一夏? まだ人がいるじゃないか。」
「頼むからもう黙れやお前!?」

ふむ、意気消沈したり、いきなり喚いたり忙しい奴だな。
日本紳士ならもう少し慎みを持たなきゃあかんよ?

一夏、日本紳士への道はまだまだ前途多難です。


「何か、果てしなくどうでもいいこと押しつけられた気がする。」
「大丈夫。俺が付いてる♪」
「むしろしばらく何処か行け。」


ガラガラ―――、

一夏とそんなやり取りをしていた所に、教室のドアが開く音が耳に入り、一夏と共にドアへと視線を向ける。

するとそこには、メガネ巨乳の狙ってるとしか思えない天然女神。我が一組の誇る副担任。山田 真耶先生の姿があった。

教室を見回していたマヤたんだったが、視界に俺達を捉えると安心したようににっこりと笑顔を向けてきた。うむ萌えます。


「ああ、織斑君に五反田君。まだ教室に居たんですね? 良かったです。」
「へいマヤたん!」
「その呼び方止めてくださいっ!?」
「マヤマヤン!」
「それも止めてください!」
「――― 真耶。(真剣な瞳で愛情込めて)」
「はうっ!? あうあうあうあうあう…!?(真っ赤)」
「何やってんだお前。」
「からかってる。」
「うん、相変わらず最低だな。」
「ま、冗談は横に置いて後で拾い上げるとして。」
「回収はするのかよ!?」
「マヤたん? 何か用かね?」
「へ!? あああの! おおおりむりゃくんちょごちゃんだくんにょっ!!」
「やりすぎたか?」
「この馬鹿。先生! しっかり気を持って!」
「はう! す、すみませぇん。」
「全くしょうがないな。」
「お前のせいだからな!? 少しは悪びれろ!」
「ええぇと、お二人の寮の部屋が決まりました。はい、お二人ともこれが部屋の番号とキーです。無くさないでくださいね?」
「そうか、ついに俺達の愛の巣が。」
「きめぇよ!?」
「でもなんで? 確か一週間は掛かるって言ってなかったすか? 一夏はしばらく自宅から通って、俺は寝袋に包まって食堂の休憩室にお世話んなるはずですよ?」


ちなみに食堂のマダム達には了解を得ている。さすがは懐深いマダム達。
ちょいと時間ある時は色々教えてもらおうかね。まずは皿洗いと皮むきでお役に立とう。

五反田 弾。 人様の聖地(食堂)には最大の敬意を持って臨みます。いつか一緒に厨房に立てる日を楽しみにしていますよマダム達。


「そうなんですけど。事情が事情なので一時的な処置として部屋割りを無理矢理変更したらしいです。…お二人は、そのあたりのことって政府から聞いてます?」
「あの黒服野郎共? なんかうっさいし『五反田食堂』の営業の邪魔だから、爺ちゃんと二人でゴミ捨て場に転がしてきた。」
「厳さんって何気に最強種の一人だよな。」
「妖怪の間違いじゃね?」
「酷いなお前。」
「ま、まぁそう言う訳で。政府の特命もあって、とにかく寮に入れるのを最優先したみたいです。一カ月もあればお二人の個室も準備できるますから。しばらくは、それぞれ相部屋で我慢してください。」
「――――うん? 部屋の番号が一夏と違う? 一夏とは別々なんすか? というか俺達それぞれの個室も準備なんて、エライ豪華じゃね?」
「てっきり弾と一緒かと思ってたんですけど? 問題ないんですかそれ?」
「え?え、ええぇまぁ。い、色々ありまして。(言えない、先輩が『絶対にあの害虫と一夏は引き離せ!! 女子? 知るか!! 今は女の方が強いんだろうが!? 自分の身は自分で守れ! 問題起こせばそれを口実に私が直々にとどめを刺してやる!』って激高したなんて言えない教室の位置も先輩が決めたしっ!)」
「ふっ。所詮叶わぬ運命か。残酷なもんだぜ。」
「俺は少しほっとした。こいつの相手は体力使うからなー。」
「い、一夏? お前、一体何ラウンド俺に求める気だったんだっ!? この獣!?」
「うん。やばい。超嬉しい。個室最高だな。」
「あ、あのー?」
「あ、すみません。それで部屋は分りましたけど、荷物は一回家に帰らないとじゅんびできないですし、今日はもう帰っていいですか?」
「あ、いえ、荷物なら―――。」
「私が手配しておいてやった。ありがたく思え」


ダダンダンダダン♪! ダダンダンダダン♪!(未来からやって来る鋼の戦士の歌)


「何処からか俺のテーマソングが!?」
「マジで鳴ったな!? 何処からだ!?」
「あ、『七代目五反田号』だったみたいだ。」
「タイミング良いなおい!?」
「…くくっ。IS揃って言い度胸だなぁぁあ?(ビキビキ!)」
「せせ先輩っ!? 興奮するとまたっ!」
「チッ。分かっている。織斑、生活必需品だけだが用意してやった。着替えと、携帯電話の充電器があればいいだろう。」
「ど、どうもありがとうございます。」
「あれ? 一夏? お前の部屋の引き出しの二重底にある『アレ』は必要ないのか?」
「ハハハハハ! ナニヲ言ッテイルンダイ弾クン!? ヨク分カラナイナ!?」
「…一夏?」
「何でしょうか!? 織斑先生!?」
「今は姉として話しをしている。ちょっと話を聞かせてもらおうか?」
「へいマヤたん! 他になんかない? 連絡事項とか。」
「弾!? 待て! 煽っておいて逃げんな!?」
「ひぇ!? え、えーと。夕食は六時から七時、寮の一年生用食堂でとってください。」
「部屋で調理とかは出来ます?」
「あ、はい。システムキッチンがありますから。」
「スゲェな。」
「――― で? 『アレ』とは何だ? 答えろ一夏。」
「ままま待った! ちょっと待った! 如何わしいモノじゃないって!?」
「各部屋にはシャワーがありまけど、大浴場もあります。学年ごとに使える時間がちがいますけど。その、織斑君と五反田君は今のところ使えません。」
「そりゃそうですね。大問題になります。下手すりゃ警察でカツ丼モノだ。」
「はい。ご理解いただけて助かります。」
「いえいえ。紳士ですから。」
「ふふふ、そうですか。」
「――― 私に隠し事とは言い度胸だな?」
「あだだだだだだだ!? 頭が!? 頭がミシミシと痛い!!」
「ちなみに『アレ』とは、現役時代の千冬さんの載った初回限定幻の写真集です。すでに手に入らない超激レア物。一夏の宝です。」
「「「「「「何だってーっ!?」」」」」」
「だあああああん!? バラすなっつったろうがああぁぁっ!?」
「織斑君!? 一週間ぐらい貸してくれない!?」
「コピーさせて!?」
「言い値で買うわ!? に、二万円。ううん! 三万円までならなんとか!!」

「――― さて、山田先生。そろそろ会議の時間です。行きましょう。」

「ええぇ!? ちょっと待ってください!? 私も見たいで――――!!」
「では一夏。気を付けて帰れ。」
「ちょ!? この状況でどう気をつけろって言うんだ!?」
「知らん。自分で何とかしろ…五反田?」
「へい?」
「問題を起こせば…その時は、ワカッテイルナ?」
「へーい!」


そもまま、マヤたんの襟を掴んで退場する千冬さんを見送る俺達。

うむ、さすがだ。最強の『弟魂』を持つ千冬さんが少し上機嫌になったようだ。これで少しは胃も良くなってくれると嬉しいが。(おい元凶)


「だああああああんっ!? てめぇ覚えてろぉぉぉぉぉっ!!」


うん? 一夏が女子の集団に追いかけられながら去って行ったな。さすがフラグ乱立王だ。

もう追っかけがいるのか。あいつ将来、一夫多妻とか平然と作りそうだ。

そんな親友に『グッドラック!』といい笑顔でサムズアップした俺は、一夏の姿が見えなくなると同時に、自分にあてがわれた寮の部屋へと足を向けたのだった。




*   *   *




「――――― おおうっ! 結構いい所だ。」


あてがわれた部屋にやって来た俺は、室内を見渡し感嘆の声を上げた。

大きめのベット二つに、十分すぎる程の広さを持つ室内スペース。ちょっと奥に行けばシステムキッチンも見える。やったね♪


「――― そんじゃ! はじめますか!」


制服を脱いで、俺の戦闘衣装(五反田食堂仕事用黒シャツに『七代目五反田号』)にチェンジした俺は、キッチンへ向かう。

今日から一カ月という短い間ではあるが、一緒に生活する女子に、よろしくって意味も兼ねて美味い物を御馳走しようじゃないか。

『七代目五反田号』に【貯蔵】してある。あんまり数はないが食材の一覧を目の前に展開し、献立を考える。

ふむ? 何が良いかね?


――― と、その時。


ガチャッと部屋のドアが開く音が聞こえてきため思考を中断する。

おう? もう来ちゃったか。しょうがないから何が好きか聞くか。

一覧を消し、出迎えようとした時――――――。


「おー!ふかふかベットだー。わーい♪」


うん? こののほほんボイスはもしや?


キッチンから顔を出して眼を向けると。

そこに居たのは、クラスで一番に知り合った萌え少女。ブカブカな制服が素敵です。


「んー? あー♪ だんだんだ~。」


ベットからほにゃりとした笑顔で、布仏 本音ちゃんが笑いかけてきた。



――――― ふむ? まぁとりあえず。



「―――お帰りなさい♪ 和食にします? 洋食にします? それとも ちゅ・う・か?♪」
「ちゅうか~♪」




五反田 弾。 今日の夕食は中華です。






後書き


無駄に長くなってしましました。色々考えた結果、もうシンプルにのほほんさんにしました。この話が一番書きづらかったです。ちなみに最初は食堂のおばちゃんと同居させようか真剣に悩みました。そうすると別のロマンスに発展しそうなんでボツにしましたが。さて次回、ようやく侍少女が登場です。一体どうなる事やら。


前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.024667024612427